校正とはどのような作業なのか課題についても整理。その上で解決方法としてのオンライン校正を紹介します。
校正とは文字や文章の誤字や脱字、不統一などを修正する作業のことを指します。通常は印刷工程の中で行われ、訂正・チェックを何度も繰り返すこともあります。回数によって初稿、再校などと呼ぶことがあり、終了することを校了と言います。校正は赤入れなど担当者とのやりとりが発生するため、以下のような課題が出てきます。
規模が小さく、少人数で確認・承認を行う場合はそれほど問題にはなりません。しかし、校正に関わる人数が多くなるほど、全体の作業負担も大きくなり、指示漏れや確認漏れなどのミスが起きる頻度も高まります。紙ファイルのやりとりの数が多いと、紛失や取り違えなどが起こり、取りまとめまでの時間とコストがかかるので非効率になります。
校正は赤入れや訂正により行ったり来たりが多いため、どこまで終わっているのかの進捗状況が掴みにくい性質があります。稟議書も承認されずに滞ってしまうと、各部署に確認する必要があり、校正作業はさらにやりとりが多くなります。原稿などの締切がある制作物において、進捗がわからない状況は致命的です。
コロナ禍の影響もありテレワーク化が進む中で、紙ベースで従来の赤入れ・校正作業を続けようとすると行き詰まってしまいます。在宅勤務の場合、会社の環境と異なるため、校正紙ありきでは直接の受け渡しができなかったり、PDFで校正紙が送られてきても、出力するためのプリンタを持っていない、書類を読み取るスキャナもないなどの問題があるからです。
オンライン校正は、これまでの校正作業の課題を解決するための業務改善システムとして注目されています。担当者が順番にチェックするのではなく、オンライン上のファイルを校正していく仕組みなので、大人数が関わっても負担が少ない。さらに進捗状況もリアルタイムで把握可能。紙に出力しなくても作業が進むのでテレワークにも対応します。
オンライン校正であれば、複数人が同時にログインして一つのファイルを校正することが可能です。全員が同じファイルを活用しているため、赤字の転記も必要ないでしょう。
出張先や外出先など遠隔地でも作業でき、タイムラグが気になることはありません。また校正済みの原稿閲覧・修正をまとめる必要もないので、校正作業を大幅に短縮できます。
原稿への修正指示・コメントなどはリアルタイムに反映されるため、常に新しい指示のもとで校正作業が行えます。
多くのオンライン校正システムには差分表示機能が搭載されており、現在のファイルと過去の情報を比較できます。また修正の履歴も保存されるため、修正漏れなどのミスも見つけやすいでしょう。
オンライン校正の大きなデメリットは、ある程度のパソコンスキルが必要になる点でしょう。これまで紙ベースの校正に慣れている方にとっては、パソコン上で校正作業をするのが難しいと感じることも。デジタルトランスフォーメーションが推進されている状況にはありますが、現状からの変更にストレスを覚えるケースも少なくありません。ただオンライン校正は基本的に複雑な作業はほとんど必要なく、ワードが多少できる程度のスキルがあれば問題はないでしょう。現状から変えたくないという方に対しては、根気強くシステムのメリットなどを説明することが大切です。
オンライン校正だとパソコン上での色味をイメージしてしまいます。ただプリンタの違いで、微妙に色味がイメージとは異なるケースもあるので注意が必要です。使用するプリンタを統一するなどの工夫を施すようにしましょう。
校正用のファイルは作業によっては赤字やコメントを書き込むケースも多いでしょう。パッと見ただけで、赤字やコメントが見やすければ校正作業も円滑に進みやすくなります。そのため赤字やコメントのフォーマットが統一されており、誰もが見やすい画面かどうかが大切です。また校正の画面がデバイスによって異ならないかも確認しておきましょう。全員が見やすいシステムであるかどうかを事前にチェックしてください。
オンライン校正をする際、データの入稿・出稿も頻繁に行うでしょう。その際、画像処理のスピードが遅ければ業務に支障をきたしかねません。そのため処理が早いスピードで行え、入稿・出稿が簡単に行えるシステムが適しているでしょう。
会社だけでなく、自宅や外出先でも校正作業を行うケースもあるでしょう。その際、通常とはOSやデバイスが異なるケースもあるため、複数のOSやデバイスに対応しているシステムの方が理想的です。またプラウザベースでの作業も可能かどうかを確認してください。汎用のWEBプラウザが活用できれば、OSやデバイスの種類に関係なく校正作業が行えます。
校正作業を取り扱う情報の中には社外秘など、セキュリティを重視するケースも多々あります。そのためオンライン校正システムを選ぶ際、セキュリティ対策がどうかもチェックしておきましょう。またアクセス権限を付与する際に柔軟性があるかどうかも重要です。
オンライン校正は作業環境をクラウドやサーバー上に移行する考え方で、コメントや修正指示は従来のようにファイルに書き込むことが可能です。またこれまでの紙やファイルを個別にやりとりする方法を見直し、オンライン化することで無駄なくできます。テレワークでも効率的に校正作業ができるツールとして今後期待できます。
※2022年4月時点公式HPより
2022年4月時点にgoogleで「オンライン校正」で検索して公式サイトが表示される校正ツールをピックアップ。オンライン校正ツールを提供している会社の中から3社選定しました。
Brushup タブレットでの手書き校正に対応し、2017年度グッドデザイン賞※を受賞したオンライン校正ツールを提供。導入数が最多の10,700社以上。※参照元:日本デザイン振興会HP(https://www.g-mark.org/award/describe/45924)
TOPPAN PRINT ONLINE 25社の中でカラーマネジメント機能を搭載したオンライン校正ツールを提供。
Aproove 25社の中で校正機能とワークフローオートメーション機能を搭載したオンライン校正ツールを提供。